LOM mikroUšiとTASCAM DR-05Xの音質比較

mikroUsiの写真

海外のフィールドレコーディストのSNSを見ていて、LOM「mikroUši」というマイクが気になったので、さっそく購入してみました。

このmikroUši、少し変わり種で、ラベリアマイクが二股に分かれている形状になっており、これを広げてABステレオで収音が可能となっています。無指向性なので、たとえば、幅数cm〜2m程度のSpaced-Omniのセッティングができます。今回導入したのは、ステレオミニ端子のタイプですが、キャノン端子の「mikroUši Pro」というものもあるようです。

タイマー機能のあるTASCAM DR-05Xと、このmikroUšiがあれば、旅行中などで「ああ、ちょっと録音したいな」というときに活躍しそうです。夕方のうちにセットして、翌朝に回収すれば、同行者に眉をひそめられることもないでしょう。

この特徴的な形状により、いろいろなマイクセッティングが可能で、木に取り付けたり、葉っぱの下にセットしたりなど、アクロバティックな録音もできます。それほど高価ではないので、万一のときも、被害を最小限に食い止められます。

さて肝心の音質ですが、今回はDR-05Xの内蔵マイクと比較してみました。

近所の都市公園へ。池のほとりに、セミを録音できそうな場所があったので設営。17cm幅のステレオバーの両端に、mikroUšiをテープで取り付けます。ステレオバーの台座にはDR-05Xと、映像収録用にSONY DSC-HX99をマウント。マイクには、いずれも純正のジャマーを取り付けてあります。音声は音量調整以外はしていません。

パッと聴いたところ、それほど差はないように思えました。しかし、セミの鳴き声ではなく、そのほかの環境音に耳を立ててみると、違いがわかります。mikroUšiは、DR-05Xよりひと回り大きい空間を再現できるというか、解像度が高いようです。野鳥や人の立てる音、飛行機の音、駅のホームの音などがよく聞こえます。ただし、その差は僅かで、再生の環境によっては、判別できないレベルです。

以前のテストで、DR-05Xは無指向性のユニットらしく、じゅうぶん広く、収音していることがわかっています。mikroUšiは、さらに広く収音できているのではないでしょうか。もう少し、いろいろな音源やセッティングで、mikroUšiを試してみたいと思います。