TASCAM DR-07MK2とZOOM H4n Proの内蔵マイクの音質比較

H4n ProとDR-07の写真

手元にTASCAM DR-07MK2とZOOM H4n Proがあったので、比べてみました。

現時点では、実売価格が、DR-07が1万円台、H4n Proが2万円台と、導入しやすい価格帯の2機種。メーカーによる違いもありますが、だいたい1万円の価格差が、どれくらい音質に反映されているのか、検証してみます。

いずれの機種も、XYステレオ方式を採用しており、典型的なハンディレコーダーの仕様です。H4n Proの方が、やや大きく、しっかりとした作りで、ワンランク上の風格を持っています。

ちなみにH4nは、別売りの専用のプロテクトケースがあり(ZOOM製品は、純正のプロテクトケースがけっこうあります)、野外での使用には大活躍です。

DR-07にも、別売りのアクセサリーセットの中に、ケースが付属していますが、こちらは、プロテクトケースではなく、キャリーケースです。ただこのケース、なかなかの優れもの。持ち運びやすく、レコーダーの出し入れもストレスなく行うことができ、重宝しています。

近くの都市公園へ。以前も利用した、せせらぎとセミの鳴き声が入り交じるポイント。DR-07とH4n Proを、ステレオバーと軽量の三脚で、水の流れに向けました。

設定は、ローカットやリミッターなどは入れずに、デフォルトのまま。また編集も、音量合わせ以外は何もしていません。DR-07はマイク幅をワイドにしない『X-Y方式』、H4nはマイクの角度を90°にしています。いずれも純正のジャマーを被せてあります。

まずは、DR-07MK2。水音も、ツクツクボウシも、ミンミンゼミも、バランスよく録れています。これといって、大きなマイナスのない、ナチュラルな音質です。TASCAMらしい音ですね。

次に、H4n Pro。こちらもバランスよく録れています。一聴してわかるのは、高域のキラキラとした感じです。これは予想どおりで、多くのZOOM製品の特徴です。もっとよく、DR-07MK2と比べてみると、H4nはより広い範囲を収音できており、周囲のかすかな音を拾っています。

たとえば、セミの鳴き声も、より分離して聞こえ、DR-07では確認できなかった鳴き声も、はっきりと聞こえます。また、さまざまな音の定位も、明確に認識できます。ロケ地が都市公園であるため、周囲には、実はさまざまな騒音があるのですが、そういったノイズまで、しっかりと録音できている感じです。

単純に「音質」という点でいうと、価格差のぶんだけ、H4nに分がありそうです。ただ、価格、軽量さ、動作の軽快さなどを含めて考えると、DR-07という選択肢は全然ありなわけで、どちらを選ぶかは、使う人によって分かれるところでしょう。