音源のレコーディング方法をかんたんにご紹介します。

ステレオ録音といっても、実はさまざまな方式があります。ここでは、当プロジェクトが採用している3種類のマイク・セッティングをご説明します。

また、最後にレコーダーについても軽く触れてみます。

MSマイクの写真

MSステレオ方式

「単一指向性マイク」と「双指向性マイク」を、同じポイントで設置するステレオマイキングの方式です。

単一指向性マイクで前方の音(Mid)を、双指向性マイクで左右の音(Side)を収音し、最終的にL/Rステレオに変換します。センターマイク(Mid)があるので、モノラルとの互換性は抜群です。

左右の定位は少し甘くなりますが、臨場感豊かな音場が再現できるので、野外録音には向いている方式です。

ABマイクの写真

ABステレオ方式

間隔を置いた2本の「無指向性マイク」などを設置するステレオマイキングの方式です。

設置幅は、レコーディングしたい対象にもよりますが、一般に17cm以上の間隔があればステレオと認識できると言われています。無指向性マイクを使用した場合(「Spaced Omni」と呼ばれます)、柔らかく、ナチュラルな音質が特徴です。

自然音の録音に関しては、相当ワイドな間隔で設置しても中央の音像がぼやけることも少なく、「どう録りたいか」でセッティングは自由に決めています。

XYマイクの写真

XYステレオ方式

2本の「単一指向性マイク」を、同軸上でクロスさせる形で設置するステレオマイキングの方式です。通常は、90°の角度で設置します。

同軸上というのは、マイクの先端部分(ダイアフラムの位置)が、上から見て一致するポイントをいいます。現実的には上下に重なる形になります。

この方式は、明快なステレオ感が出しやすく、モノラルとの互換性が高いのもメリットです。多くのハンディ・レコーダーがこの方式を採用しています。

レコーダーの写真

レコーダーについて

レコーダーは、野外の過酷な環境で使うものですから、バッテリーの持ち、頑丈さ、軽量さ、液晶パネルなどの視認性、操作性などが重要です。

録音フォーマットはさまざまありますが、当プロジェクトでは、PCM 96Khzあるいは192KHzあたりを採用しています。

マイクに比べて、レコーダーは年々進化している印象です。ですので、その時点で、使い勝手がよく、価格がこなれたものを導入するようにしています。

その他、機材などについては、記事をご覧ください。